高崎市では、学校歯科医が市内全部の保育園、幼稚園、学校(小・中・高)に配置されて、子供達がしなやかに、心身ともにたくましく、健やかに立派に育ってくれることを願って、歯と口の健康診断、臨時健康診断、歯と口の健康指導(食事、咀嚼、歯ブラシ刷掃の生活習慣全般について)・歯と口の健康相談・学校健康安全年間行事計画の立案に参与する等、学校での子供達の健康教育実践に微力ながら、日常の診療のあい間をぬって、それぞれの教育機関にかよう努力をしております。
高崎市は、全国でも有数の学校保健実践都市としてならしております。学校保健委員会を学校児童、生徒、教職員、三師(学校医・学校歯科医・学校薬剤師)、PTA等地域の方々を構成メンバーとして組織づくりがされそれぞれ、年間数回にわたり開催して、肌目(きめ)こまかい健康情報を地域に向けて発信しております。例えば、一連の歯と口の健康週間行事、エイズ教育とキャンペーン、薬物中毒対策、インフルエンザ対策等々です。
学校歯科保健では、最早や、早期発見・早期治療ではなくて、一人一人が積極的な健康観を持ち、予防健康志向に方向転換すべきでありましょう。
今後の課題として、第一に、第一義として疾病治療から脱皮して、子供達の保健意識を向上させ、自ら健康を守る積極性を培うように、学校歯科医としても、自己の意識改革と資質の向上を図ること。学校病としての汚名あるむし歯を児童生徒からなくす努力は、ひとり学校歯科医だけではできません。家庭地域ぐるみの行政のバックアップのもとでなされるでしょう。
第二に、ライフサイクルにおける組織だった健康教育・健康管理は、この時期をおいてはありません。これからは、母子歯科保健、成人歯科保健に関連づけた考え方を導入することが必要となります。最近の知見では、口腔内細菌の全身への影響が問題視されておることを提唱しておきましょう。